2024年2月10日(土)「しんぶん赤旗」より

大浦湾着工1カ月 石材次々投入

希望の海 白濁

沖縄新基地 本紙が空撮

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(写真)大浦湾で台船上から石材を投入するパワーショベル。石材が投入されるたびに海が白濁=1日、沖縄県名護市(小型無人機で撮影)

 沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設を巡り、政府が県の権限を奪う「代執行」で大浦湾側の工事着手を強行してから10日で1カ月がたちます。本紙はこのほど、護岸建設のためのケーソン(コンクリート製の箱)置き場となる海上ヤード建設現場を小型無人機で撮影。台船から石材が投入されるたびに「希望の海」と言われる大浦湾が白く濁る様子が確認されました。(小林司)

「完成」見通せず

 新基地建設に関する環境保全図書は、石材の投入にあたって「洗浄を条件」としており、木原稔防衛相も先月26日の記者会見で「石材は採石場で洗浄したものを使用」していると述べていますが、県などによる確認は行われていません。

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 住民からは「海洋汚染につながる」との懸念も示されています。作業船は本紙の空撮で小型無人機が接近するたびに作業を中断。過剰に警戒しています。

 さらに防衛省沖縄防衛局は6日、航空機への弾薬搭載場所にあたる辺野古崎付近で「K5」護岸の造成に着手しました。

 政府は、辺野古新基地建設は住宅地のど真ん中に位置する米軍普天間基地(同県宜野湾市)返還のための「唯一の解決策」だとしています。しかし、大浦湾側の地盤改良工事のための設計変更申請書によると工事は、海上ヤードだけでも2年半。全体では最短で12年におよびます。

 大浦湾には最深90メートルにおよぶ広大な軟弱地盤が広がり、地盤改良のため砂ぐいを7万本あまり打ち込むという難工事。作業船の確保も容易ではありません。

 埋め立て工事に携わる大手ゼネコンの幹部は、国内で実績のない深さだとし、「始めてみないとわからない。さらなる設計変更、県との協議は今後必要になる」と述べ、長期化するとの見方を示します。

 在日米海兵隊はホームページで、「普天間代替施設(辺野古新基地)が完成するまで普天間基地の使用を継続します」と堂々と宣言。工事のスケジュールについては「防衛省にお問い合わせください」としています。

 しかし、普天間基地の返還時期について、木原防衛相は「現段階で具体的にお示しすることは困難」(先月16日の記者会見)と述べ、見通しを示せませんでした。

 在沖縄米軍幹部は昨年11月、記者団に「地盤が沈むような場所に基地は造らないだろう」と強調。「軍事面だけを考えれば普天間の維持が望ましい」と本音を語りました。